photo by Keizo Kioku

TARO NASU では2024年1月13日より、ホンマタカシ個展「東京郊外→オリンピア」を開催いたします。

1962年東京都に生まれ。
1999年、写真集『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』(光琳社出版)で第24回木村伊兵衛写真賞受賞。

近年の主な個展に、2023-2024 年「即興 ホンマタカシ」(東京都写真美術館)、2020-2021年「Eye Camera Window : Takashi Homma on Le Corbusier」(カナダ建築センター、モントリオール)、2017年「La citta narcisista. Milano e altre storie」(VIASATERNA、ミラノ)、 2015年「Seeing itself – 見えないものを見る」太宰府アートプログラムvol.9 (太宰府天満宮、福岡)など、グループ展としては2019年「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」(東京国立近代美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館を巡回)、2015年「見えない都市を見せる 東京アートミーティングVI」(東京都現代美術館)など。

TARO NASUでの7回目の個展となる今回は、都市東京を主題とした作品群を展示する。
1998年に発表された写真集「東京郊外TOKYO SUBURBIA」は、かつて宮台真司が「終わりなき日常」と形容した、ぬるま湯の幸福に浸るかのような東京の情景を淡々とうつしだし、ホンマタカシの名を一躍世界にしらしめた。
2015年、ホンマは再び東京を主題として取り組みはじめる。それは雑誌Casa Brutusの連載企画として、東京オリンピック2020を目指して変化を遂げていく街を6年間にわたって撮影するプロジェクトであった。

今回の展示では、伝説のシリーズ「東京郊外TOKYO SUBURBIA」と「TOKYO NEW SCAPES」とを同じ空間に展示することによって東京という怪物的な都市の変貌を展示する。閉塞感と引き換えに手に入れた、終わりのないはずの平穏な日常が終焉を迎えたそのさきに、ホンマのカメラがとらえたのはいったい何だったのか。高度経済成長期の象徴的な出来事として語られる東京オリンピック1964から約半世紀後、東京オリンピック2020が東京に刻んだ歴史とはいかなるものだったのか。

東京都写真美術館での個展「即興 ホンマタカシ」(2024年1月21日まで開催)に会期を部分的に重ねる期間設定で、ホンマの作品世界の過去と未来を問う今回の展示は、近年のカメラオブスキュラへの傾倒とは異なる表情をたたえるホンマ作品を集め、その作品世界の広さも鑑賞者に問いかける。