Jonathan Monk "Staged Salvo X", 2024
Jonathan Monk "Staged Salvo IV", 2024
Salvo "Arance", 1981
Jonathan Monk "Staged Salvo XII", 2024
Salvo "Senza titolo"
Jonathan Monk "Staged Salvo III", 2024
Jonathan Monk "Staged Salvo XI", 2024
Jonathan Monk "Staged Salvo IX", 2024
Photo by Keizo Kioku

TARO NASUでは10月19日より、ジョナサン・モンク & サルヴォ「Salvo Stage Sets」を開催いたします。

サルヴァトーレ・マンジオーネは「サルヴォ」として知られ、1960年代初期から画家として活動していた。サルヴォは日々の生計を立てるために、安価なポートレイト画、風景画、有名画家による作品の贋作を販売していたという。

モンクはそのサルヴォを題材にした作品シリーズ「Salvo Trees」を2016年より発表してきた。本シリーズにおいて、モンクはサルヴォの風景画の画像をA4の印刷紙や雑誌の広告、キャンヴァスの上にプリントアウトし、アクリルやグワッシュ、水彩を乗せて、元の構図に属する木だけを残して背景を塗りつぶしている。従来「引用 appropriation」をその制作手法の一つとしてきたモンクは、ここでは反復の概念に焦点を当て、サルヴォの芸術的アプローチに新たな視点を提供するとともに、モンク自身のアプローチをも反映させている。

本展では、モンクによる「Salvo Trees」シリーズの最新作、著名なミュージシャンのイメージを用いた「Staged Salvo」12点に加え、1980−2000年頃のサルヴォの作品5点を展示する。

ジョナサン・モンク | Jonathan Monk 
1969年、レスター生まれ。現在はベルリンにて制作活動。
近年の主な個展に「S L」Mahler & LeWitt Residency、Torre Bonomo、 Festival dei Due Mondi、 Spoleto、イタリア(2024)、「Metallic Sunsets」Dvir Gallery、Paris、フランス(2023)、「Exhibit Model Six – The Tel Aviv Version」CCA Tel Aviv、イスラエル(2019)、「Lenticular LeWitt」TARO NASU、東京(2018)、「Exhibit Model One」Kunsthaus Baselland、Mutten、スイス(2016)、「Anything by the Smiths」CAN Neuchâtel,、スイス(2015)、IMMA Irish Museum of Modern Art, Dublin、アイルランド(2014)、「COLOURS SHAPES WORDS (pink, blue, square, circle) 」CAC Malaga、スペイン(2013)など。

サルヴォ | Salvo 
1947年、レオンフォルテに生まれ、2015年、トリノにて死去。
サルヴォことサルバトーレ・マンジョーネは、シチリアで幼少期を過ごし、1956年に家族と共にトリノに移った。当初、人物画や風景画を制作したが、のちにアルテ・ポーヴェラ運動に関わるようになった。コンセプチュアル・アートの影響を受けたサルヴォは、アーティストの役割を探求し、様々な人物を装って演出を施した一連のセルフポートレートを制作した。1970年代からは具象画に焦点を移し、心象風景や時間の経過を強調し、鮮やかな自然や都市を描いた特徴的な作品群を生み出した。
ドクメンタ5(1972)や第41回ヴェネツィア・ビエンナーレ(1981)などの国際展に多数参加したほか、2007年には故郷トリノのGalleria Civica d’Arte Moderna e Contemporaneaで回顧展を開催した。
近年はサルヴォへの注目がいっそう高まっており、ローマ現代アート美術館での回顧展(2021)をはじめ、欧米各地の美術館やギャラリーで彼の作品が紹介されている。